柚子の木のあるすてきなお宅
パームスプリングスは珍しく雲に覆われた空。なんだか目に優しいです。いつも光が強くて眩しいんですよね。
毎年9月から5月まで、毎週木曜日はバイブルスタディーに行きます。
アメリカ人の女性ばかりでしたが、今年からChiyoちゃんという、近くに住む日本人のお友達が参加してくれています。Chiyoちゃんは若いジュエリーデザイナー。とても繊細なデザインは、スレンダーで美しいChiyoちゃんそのもの、って思ってしまいます。こちらでぜひ見てくださいね。
で、そのChiyoちゃんがある日のクラスのあと、アメリカ人女性を紹介してくれました。「こんにちは~」って、え、日本語?
この方、ご主人が日本生まれ日本育ちのニッポン男児です。
夏はミシガン、冬はパームデザートで生活するスノーバード。
家庭菜園が大好き、ミシガンでは鶏も飼っています・・・広さを聞くと、それって家庭菜園ではなく立派な農場ですよ。
ミシガンでは日本のお野菜、水菜、壬生菜、大葉、ししとうなどもたくさん育てているそうです。
彼女が、「私のここでの住まいに、柚子の木があって鈴なりなの。取りに来ない?」と・・・泣いていいですか?
柚子って貴重品なんです。柑橘類がいくらでもとれる場所なのに、柚子の木ってないんですよ。LAあたりで育てている方はいらっしゃるようなんですけど・・・いつも柚子があったらな、って思っていました。あの香りが大好き!
で、早速お邪魔しました。
ゴルフコースに建つ大邸宅でしたよ。ビューも最高!
で、さっそく柚子の収穫です。本当に鈴なり~。
ちょっと育ちすぎちゃったの、と彼女。でも皮が使えますから、大丈夫。50個ほど頂いちゃいました。「来年からは、私たちのいない8月の終わりに、青柚子を取りに来てね。入れるようにしておくから!」となんてご親切なんでしょう。ありがとうございます。
こちらはマイヤーレモンの木。
こちらも鈴なりでした。
おうちの中を見せていただいたのですが、それはそれはすてきなお宅でした。
モダンな中に和のテイストが散りばめられて・・・
このお着物は、ご主人が七五三で実際にお召しになったものだそうです。60年以上前のものとは思えない美しさ。和歌山の大きな武家から続く家系だそうで、戦争で全て燃えてしまったけれど、こうした大切なものは別の場所に移してあったので残ったんですよ、と穏やかなご主人が教えてくださいました。家宝の刀は国宝として博物館に所蔵されているとか・・・すごいですね。
奥様は日本に行くたびに、原宿あたりの蚤の市やアンティークショップを巡り歩いて、大好きな古物を買い溜めているそうです。これはなんだかわかりますか?
昔の浴衣の版だそうです。こうろぎの柄。絵でも版画でもない、とても繊細で美しいものですが、これをこんなふうにインテリアにしちゃうセンスに脱帽!
伺うと、若い頃にインテリアデザインの勉強をされていたそうです。そして日本に住んだ12年間は、ジョンロバートパワーズで教えたり、ホテルのデザインやサービスのアドバイザーをしたり。
お話を伺ううちに、ある考えが浮かんできました。
「私のお店のデザインを、手伝って頂けませんか?」
ご快諾いただきましたよ!
デザイナーってお願いしていませんでした。自分の作りたいイメージははっきりしていたのですが、こちらのデザイナーに日本食のお店、というと、どうしても非常に偏ったイメージを持たれてしまい、お願いする人が見つけられずにいました。なので、もう自分でやるしかない、と思っていたところの出逢い。
日本の美しいものを知っていて、現代の日本のすてきなお店のデザインも知っていて、私が作りたい「今東京にあるような、コンテンポラリーでシンプル、そこにちょっと日本の香りのするデザイン」というのを、実際にご自宅で作り上げている人。もうぴったりすぎますー!
実際に建築中のお店を一緒に見に行って、今はデザインのアイディアを摺り合わせ中です。
またひとり、力を貸してくださる方が見つかりました。
どれだけ感謝しても足りないですよね。しみじみ、人の温かさを感じる毎日です。
さて、頂いた大量の柚子。切ってみるとジュースはほとんど取れませんでしたが、香りたっぷりの皮を薄く切って刻み、小分けにして冷凍庫へ。そして「Yuzu-chello」も作りました。
はじめての柚子チェッロ、後味に柚子の香りが広がります。
マイヤーレモンのリモンチェッロとともに、たくさんのボトルが冷凍庫を占領中です。
by holeinone72 | 2012-12-19 04:35 | パームスプリングス